Windowsのマルチタスク環境

 かつてのパソコンは、「プログラムがなければただの箱」といわれていました。仕事をしたい(させたい)ときには、目的にあったプログラムを読み込ませ起動させました。外部記憶装置と呼ばれるフロッピーディスクやハードディスクに保存してあるプログラム(アプリケーション)を、仕事に合わせて選択し、内部記憶装置に読み込ませます。OS(オペレーションシステム)の役割は、こうした外部記憶装置の管理でした。Windows以前のOSの代表的なものであるDOS(ドス)は、ディスク・オペレーティング・システムからきています。
 プログラムファイルが読み込まれると、パソコンは変身し、そのプログラムの命令に従って、わき目も振らず作業をしていきます。 別の内容の仕事をさせたいときは、前のプログラムを終了し、プログラムを入れ直します。これで再び変身し、今度は新しいプログラムの命令を実行していきます。1台の機械で、1つのプログラムしか実行できません。この環境を、シングルタスク(single task)と言います。プログラムが動いている最中に、別の仕事をさせたくともできないのです。いったん終了させ、人格を入れ替えないと、別の仕事には対応できません。場合によっては、電源まで落としてクリアしないと、次の作業には移れません。多目的使用を目指すパソコンにとって、これは不便でした。

 Windowsはハードディスクの膨大な量のファイルを管理するだけでなく、1台のパソコンの中で同時にいくつものプログラムを実行・制御する仕事をしています。このため、従来のOSよりははるかに大きな基本ソフトになりました。アプリケーションごとに異なっていた操作性を統一し、どんなソフトも同じような操作で使えるようにしました。Windowsそのものを動かすために、パソコンは飛躍的な性能向上を必要としました。しかし、普及が拡大するにつれ、価格はどんどん下がり、性能向上に伴うコストは吸収されています。

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